あさくさ橋心臓と血管のクリニック 高橋 保裕 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れるドクターが教える治療法vol.073

循環器内科

心臓・血管・カテーテル治療の最前線を知る医師の下肢静脈瘤治療
心臓・血管・カテーテル治療の最前線を知る医師の下肢静脈瘤治療
あさくさ橋心臓と血管のクリニック
  • 高橋 保裕 院長
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JR・都営浅草線「浅草橋駅」徒歩1分。江戸通り沿いのビル2階に、心臓外科・血管内科・循環器内科・血管外科・脳神経外科・内科を標榜し、下肢静脈瘤や透析シャントの日帰り手術や一般循環器診療を手掛ける「あさくさ橋心臓と血管のクリニック」はある。同クリニック院長の高橋保裕先生は、日本循環器学会専門医、心血管カテーテル治療専門医、脈管学会専門医など、数々の資格を保有するカテーテル治療のエキスパート。開院前に勤務していた大学病院や地域中核病院では、1万件近くの心臓・血管のカテーテル検査・治療に関わってきた。クリニックの特徴や理念、心臓と血管を専門的に手掛けられる強み、下肢静脈瘤の治療法について、お話を伺った。(取材日 2022年3月30日)

急性心筋梗塞を含む豊富なカテーテル治療を経験。繊細な技術と広い視野

― 貴クリニックの特徴、理念について聞かせてください。

当クリニックは循環器診療を主体としています。循環器内科は、主に心臓を診る診療科と思われがちですが、当クリニックは心臓だけではなく血管診療も得意分野としています。私は心臓や血管のカテーテル治療に20年以上携わり、学会ではライブオペレーターを務めるなど指導的役割を担ってきました。こうした経験を生かしながら、「患者様を自分のたいせつな家族と思って診療する」という理念のもと、より多くの患者様により良い医療を提供したいと考えております。

― 先生が心臓と血管を専門に選ばれたのは何故でしょうか。

私が医師になったのは、心筋梗塞や狭心症の治療が劇的に変化していた時期でした。それまでは薬だけで治療していた病気に対して、バルーンカテーテル(治療用の風船)を用いて血管を拡げる治療が導入されつつあったのです。どのような分野でもそうですが、治療法が急速に進化している診療科、そして、それに携わる医師のモチベーションは非常に高い。また、心臓は命に直結する臓器であり、非常にやりがいのある分野です。こうした背景のもと、私は心臓を専門とすることに決め、医師になって4年間はひたすら心臓のカテーテル治療の勉強をして、多くの経験を積み重ねました。その中で、心臓と密接に関連する血管の病気を診療・治療することの重要性に気づいたのです。5年目以降は心臓だけでなく、動脈や静脈の診療に関しても数多く経験させていただきました。心臓だけでなく全身の血管を診られるようになったことは、自信を持って患者様を診療するための基礎となっています。

― 以前勤務していた同愛記念病院では、年間500件のカテーテル治療を手掛けられたと伺います。

当クリニックで行っている下肢静脈瘤治療や透析シャント治療だけでなく、冠動脈(心臓の動脈)や末梢動脈・静脈のカテーテル治療にも携わっていました。特に急性心筋梗塞(冠動脈が突然つまる病気)のカテーテル治療は緊急性が高く、1分1秒を争います。また、血管自体も細く、多くの分枝や曲がりがあるため、非常に繊細な技術が必要です。冠動脈の治療に比べると、下肢静脈瘤や透析シャントのカテーテル治療には、命に関わるリスクがほとんどなく、心臓の治療ほどには高度な技術も必要ありません。しかしながら、私自身は、心臓の治療で培った繊細な技術と心臓についての専門的な知識を踏まえた上で血管の手術をできることに、大きなメリットを感じています。下肢静脈瘤治療や透析シャント治療において、より安全に治療を行うことができ、また血管だけを診て診療を行うと、心臓に関連する合併症を起こしてしまい、患者様の不利益につながる場合もあるからです。

下肢静脈瘤のカテーテル治療。高血圧や循環器疾患の患者にも安心の治療を

― 下肢静脈瘤の症状の特徴や、発症しやすい人の特徴について教えてください。

あしの静脈は、あしで使われた血液を心臓に戻す役割を担っています。静脈には逆流防止弁がいくつも付いていて、血液が逆戻りするのを防いでいるのですが、この逆流防止弁が壊れると血液の逆流がおこり、あしの静脈が拡張してボコボコするようになります。このような状態を下肢静脈瘤といいます。下肢静脈瘤では血管のボコボコだけではなく、あしのだるさやつり(こむら返り)、むくみなどの症状もみられます。また血管のボコボコが出にくく、だるさやあしのつりなどの症状しかみられない方もいます。下肢静脈瘤は立ち仕事に従事した経験のある方、妊娠・出産経験のある方、高齢者、肥満の方、便秘症の方に多いと言われています。

― 下肢静脈瘤の治療法について教えてください。

大きな静脈(伏在静脈)に逆流があり、症状がある場合にはストリッピング手術(血管を抜いてしまう治療)やカテーテル治療が行われます。最近は、患者様への負担の少ないカテーテルが行われるケースがほとんどです。カテーテル治療には、血管を熱で焼灼する「血管内焼灼術」と、医療用の接着剤を血管に流し込む「血管内塞栓術」の2つがあります。どちらも問題の血管に血液を通さないようにするのが治療の目的です。カテーテル治療に要する時間は、片方のあしの治療の場合で20分~30分程度。当クリニックでは日帰りで行っています。
なお、カテーテル治療は比較的簡単な治療ではありますが、治療におけるリスクが少ないながらも存在します。当クリニックでは病状と治療法、治療リスクなどの十分な説明を行い、患者様の希望に沿った方針を選択しております。また、医師は、下肢静脈に加えて循環器全般における幅広い知識を有しているので、高血圧や循環器疾患の患者様にも、安心して下肢静脈瘤治療を受けていただけます。

ドクターからのメッセージ
  • 高橋 保裕 院長

下肢静脈瘤は命に関わる病気ではありませんが、治療により症状が改善する可能性が高い病気です。多くの患者様は発症してから長期間放置した後に来院されるのですが、「もっと早く受診しておけば良かった」とおっしゃる方が少なくありません。当クリニックでは下肢静脈瘤と診断された場合でも、治療を強く勧めることはしません。他の病気の状況や患者様ご自身の希望を聞いた上で、患者様に合わせて方針を提案しております。まずはお気軽にご相談ください。

心臓・血管・カテーテル治療の最前線を知る医師の下肢静脈瘤治療
心臓・血管・カテーテル治療の最前線を知る医師の下肢静脈瘤治療

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住所
東京都台東区浅草橋1丁目18−9 山上ビル 2F
電話番号
03-6240-9286
診察領域
内科、循環器内科、心臓血管外科、脳神経外科
専門医
脳神経外科専門医、循環器専門医
専門外来
下肢静脈瘤専門外来