木戸 みみ・はな・のど クリニック 木戸 茉莉子 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れるドクターが教える治療法vol.072

耳鼻咽喉科

5つの治療法を組み合わせて、アレルギー性鼻炎の改善を目指す
5つの治療法を組み合わせて、アレルギー性鼻炎の改善を目指す
木戸 みみ・はな・のど クリニック
  • 木戸 茉莉子 院長
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JR東海道本線「住吉」駅から徒歩5分、神戸市東灘区の「木戸 みみ・はな・のど クリニック」は、アレルギー性鼻炎の治療に力を入れている。「内服治療」や「鼻レーザー術」、スギ・ダニアレルギーの根治が期待できる「舌下免疫療法」など5つの治療法を提供。幼児のアレルギー検査が可能な「イムノキャップ」も導入している。耳鼻咽喉科専門医の木戸茉莉子(まりこ)院長は、アレルギーのタイプや重症度の把握だけでなく、患者さんの生活環境や治療に対する希望にもしっかりと耳を傾ける。高い診断技術と細やかな配慮で、最適な治療法を組み合わせる木戸院長に、アレルギー性鼻炎の症状や治療法などについて伺った。(取材日 2022年5月11日)

アレルギー性鼻炎は身近な病気。放置すると生活の質(QOL)の低下も

― アレルギー性鼻炎とは、どのような病気ですか?

アレルギー性鼻炎は、アレルギーが関与して起こる鼻炎のことで、鼻風邪として知られる「急性鼻炎」、寒暖差が原因で起こる「血管運動性鼻炎」と並ぶ、鼻炎の一種です。
アレルギー性鼻炎には季節性と通年性があります。季節性とはいわゆる花粉症のことで、原因はスギやヒノキ、イネ、ブタクサなど。通年性はハウスダストやカビ、ペットの毛などが代表的なアレルゲンです。どちらも透明な鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状を伴います。
症状が長期化すると、鼻の奥に膿が溜まる副鼻腔炎を併発することが少なくありません。また睡眠障害や思考力の低下など日常生活に支障をきたすようになるため、なるべく早い治療をおすすめします。

― どういった方がアレルギー性鼻炎になりやすいのでしょうか?

アレルギー性鼻炎になる要因は、いくつかあります。
1つ目は、体質です。アレルギーは家系的に遺伝するといわれており、アレルゲンにさらされる環境で生活をしている場合は、発症しやすくなります。2つ目は、都会での生活。都会はコンクリートが多く、花粉や粉塵が舞いやすい環境です。また排気ガスなどの大気汚染は、症状を悪化させる原因にもなっていると指摘されています。3つ目は、過労やストレス。身体のエネルギーが低下して自律神経のバランスが崩れると、アレルゲンに反応しやすくなるといわれています。そして4つ目が、偏食です。高たんぱく質、高カロリー、高脂肪の食事や、特定の食べ物を摂取しすぎることが過剰反応を起こす原因となる場合もあります。
こうしてアレルギー性鼻炎の要因を挙げてみると、多くの人にとって身近な病気といえるかもしれません。

― アレルギー性鼻炎が疑われる症状について教えてください。

サラサラした鼻水が出る、発作的なくしゃみが連続して出る、鼻がつまる。こういった症状がある場合は、アレルギー性鼻炎を疑います。風邪の症状にも似ているようですが、風邪のくしゃみは断続的。鼻水は白色や黄色で、粘り気があります。さらに咳やたん、熱がでる場合は風邪の可能性が高いですね。他には、目のかゆみや喉の違和感、咳、皮膚の痒みなどが出ることもあります。

タイプと重症度に応じて治療方針を決定。治療を組み合わせて改善を図る

― 治療までの流れについて教えてください。

はじめに問診で、鼻水の状態や鼻詰まりの状況、くしゃみの回数に加え、アレルギー疾患の既往歴についてお聞きします。他院でアレルギー検査をしたことがあれば、その結果をお持ちいただくと良いでしょう。これらをもとにアレルギーのタイプと重症度を評価し、治療方針を決定します。
続いて診察では、ファイバースコープを使用して鼻や喉の状態を詳しく観察。アレルギー性鼻炎と関連のあるポリープや、鼻中隔弯曲症の有無も確認します。

― 治療には、どのような選択肢がありますか?

選択肢は、5つです。まずは、飲み薬や点鼻薬で症状の改善を図る「内服療法」。次に鼻づまりが強い場合に、鼻粘膜にレーザーを当てて症状を起きにくくする「鼻レーザー術」です。局所麻酔を用いて約30分で終えられる手術で、効果は2年ほど持続します。
3つ目は、スギ、ダニアレルギーの方に有効な「舌下免疫療法」。毎日1錠、舌の下に薬を置いて吸収させ、アレルゲンへの免疫をつける治療法です。治療は3~5年と長期にわたりますが、その効果は「2年以上の継続後に治療を終えた方のうち、70%以上が効果の持続がある」と報告されているほど。当院でも、花粉シーズン中の服用が不要になった患者様が多数いらっしゃいます。
4つ目は、「注射薬」です。気管支喘息の治療薬として広く普及する「ゾレア」が、2020年から重症のスギ花粉症に対して保険適用になりました。ただし、治療内容によっては高額になることもあります。
そして最後が「漢方&栄養療法」です。症状が強くてお薬が効きづらい場合には、補剤として漢方を用いることがあります。また、体内の栄養状態や腸内細菌のバランスを調べる検査も治療経過に合わせて実施しています。

― 治療方法の選び方について教えてください。

まずは、ご自身のアレルギータイプや程度を知ることが大切です。そのうえで生活環境やライフスタイルなどに応じた治療法を組み合わせることがベストだと思います。
特に長期にわたる治療には、不安を感じるかもしれません。当院ではオンライン診療で通院の負担を軽減し、治療の継続をサポートしています。また患者様のお話をしっかりとお聞きして治療方針を一緒に考えていくため、一人で悩まなくて大丈夫ですよ。

ドクターからのメッセージ
  • 木戸 茉莉子 院長

当院ではファイバースコープを用いて診断を行い、適切な治療へとつなげています。ファイバースコープの画像は患者様と一緒に確認しますので、ご自身の症状を理解したうえで治療法を選んでいただけるでしょう。 アレルギー性鼻炎の有病率は、この20年の間に大幅に上昇しています。季節性・通年性に関わらず、鼻の症状が日常的にあることは不快ですよね。また頭がぼーっとする、匂いを感じられなくなるなど、鼻づまりが原因で起こる諸症状は生活の質まで低下させてしまいます。気になる症状がある方やアレルギー性鼻炎がなかなか治らない方は、ぜひ早めにご相談ください。

5つの治療法を組み合わせて、アレルギー性鼻炎の改善を目指す
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住所
兵庫県神戸市東灘区住吉東町4丁目7−27 ラファエラ浅野ビル3F
電話番号
078-262-1133
診察領域
耳鼻咽喉科、予防接種
専門医
耳鼻咽喉科専門医
専門外来
補聴器専門外来