頼れるドクターが教える治療法vol.039
呼吸器内科
睡眠中に呼吸が繰り返し止まり、日常生活にさまざまなかたちで支障をきたす疾患です。脳神経や心臓が原因で起きる「中枢型」と、首や喉の周りの余分な脂肪や、舌根、口蓋垂などが気道を塞ぐことで起きる「閉塞型」、および両者の「混合型」に分類されますが、最も多いのは「閉塞型」で全体の約9割を占めています。睡眠時無呼吸の主な症状はいびき・日中の眠気・起床時のだるさ・頭痛などです。
家族からいびきや呼吸停止を指摘されていらっしゃる方や、日中の強い眠気に悩まされている方、トラックのドライバーなど会社から検査を義務付けられている方が多いです。睡眠時無呼吸は患者さんが寝ている間に生じるため自覚症状がない方も多数いらっしゃいますが、実は潜在患者数は900万人もいると言われています。未治療の睡眠時無呼吸は健常者と比べて交通事故や脳心血管系疾患のリスクが高い報告されています。症状に心当たりのある方は、ぜひ検査を受けていただきたいと思います。
まずは、「BMI(ボディマス指数:体重(kg)/身長(m)の2乗)」と、日中の眠気の程度を調べる「ESS(Epworth Sleepiness Scale:エプワース睡眠尺度)問診票」によって、簡易検査を受けた方がよいかどうかをチェックしてみましょう。「ESS問診票」は、座って何かを読んでいるときや、乗客として1時間続けて自動車に乗るときなど、日常生活のさまざまな場面で、どれくらいウトウトするかをチェックするもので、8項目の質問に対してウトウトする可能性が「ほとんどない=0点」「少しある=1点」「半々くらい=2点」「高い=3点」として、合計点を算出します。目安は「BMIが25以上、ESS問診票の点数が11点以上」となります。
ご自宅で出来る簡単な検査で、患者さんご自身で鼻や指、胸にセンサーを装着していただき、睡眠中の呼吸や血液中の酸素の値(酸素飽和度)を測定します。1時間あたりの無呼吸と低呼吸回数の合計である「無呼吸低呼吸指数(AHI)」を調べます。AHIが20回未満の場合にはマウスピース治療が、20〜39回以上の場合は精密検査(PSG)を受けていただいた上で、40回以上の患者さんはマスクによる治療「CPAP」の適応となります。
葛西よこやま内科・呼吸器内科クリニック
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愛知県豊橋市の認知症・老年心療内科。地域のクリニックならではの“オーダーメイド”治療を追求します。
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