葛西よこやま内科・呼吸器内科クリニック 横山 裕 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れるドクターが教える治療法vol.039

呼吸器内科

睡眠時無呼吸症候群のセルフチェックと簡易検査・CPAP治療
睡眠時無呼吸症候群のセルフチェックと簡易検査・CPAP治療
葛西よこやま内科・呼吸器内科クリニック
  • 横山 裕 院長
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東京メトロ東西線「葛西駅」から徒歩1分に位置する「葛西よこやま内科・呼吸器内科クリニック」。「長引くせき」と「喘息」の診療を得意とする同クリニックは、「睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)」の治療にも力を入れている。睡眠時の“いびき”を伴うことで知られる睡眠時無呼吸症候群だが、日中の活動に深刻な影響を与えたり、さまざまな合併症のきっかけになったりすることもある重要な病気だ。同クリニック院長の横山裕先生に睡眠時無呼吸症候群の特徴や主な症状、セルフチェックや検査の方法、CPAP治療の概要と継続的な治療を進めていくうえで大切にしていることについて伺った。(取材日 2020年10月17日)

潜在患者数は900万人。セルフチェックと簡易検査から治療をスタート

― 睡眠時無呼吸症候群とは、どのような病気なのでしょう。

睡眠中に呼吸が繰り返し止まり、日常生活にさまざまなかたちで支障をきたす疾患です。脳神経や心臓が原因で起きる「中枢型」と、首や喉の周りの余分な脂肪や、舌根、口蓋垂などが気道を塞ぐことで起きる「閉塞型」、および両者の「混合型」に分類されますが、最も多いのは「閉塞型」で全体の約9割を占めています。睡眠時無呼吸の主な症状はいびき・日中の眠気・起床時のだるさ・頭痛などです。

― どのような経緯でクリニックを訪れる方が多いのでしょうか。

家族からいびきや呼吸停止を指摘されていらっしゃる方や、日中の強い眠気に悩まされている方、トラックのドライバーなど会社から検査を義務付けられている方が多いです。睡眠時無呼吸は患者さんが寝ている間に生じるため自覚症状がない方も多数いらっしゃいますが、実は潜在患者数は900万人もいると言われています。未治療の睡眠時無呼吸は健常者と比べて交通事故や脳心血管系疾患のリスクが高い報告されています。症状に心当たりのある方は、ぜひ検査を受けていただきたいと思います。

― 検査を受けるべきかどうか迷っている方もいらっしゃると思います。

まずは、「BMI(ボディマス指数:体重(kg)/身長(m)の2乗)」と、日中の眠気の程度を調べる「ESS(Epworth Sleepiness Scale:エプワース睡眠尺度)問診票」によって、簡易検査を受けた方がよいかどうかをチェックしてみましょう。「ESS問診票」は、座って何かを読んでいるときや、乗客として1時間続けて自動車に乗るときなど、日常生活のさまざまな場面で、どれくらいウトウトするかをチェックするもので、8項目の質問に対してウトウトする可能性が「ほとんどない=0点」「少しある=1点」「半々くらい=2点」「高い=3点」として、合計点を算出します。目安は「BMIが25以上、ESS問診票の点数が11点以上」となります。

― 簡易検査とはどのようなものなのでしょうか。

ご自宅で出来る簡単な検査で、患者さんご自身で鼻や指、胸にセンサーを装着していただき、睡眠中の呼吸や血液中の酸素の値(酸素飽和度)を測定します。1時間あたりの無呼吸と低呼吸回数の合計である「無呼吸低呼吸指数(AHI)」を調べます。AHIが20回未満の場合にはマウスピース治療が、20〜39回以上の場合は精密検査(PSG)を受けていただいた上で、40回以上の患者さんはマスクによる治療「CPAP」の適応となります。

「CPAP治療」の継続。そのカギは“治療アドヒアランス”の向上にあり

― 「CPAP治療」とはどのような治療法なのでしょうか。

機械によって一定の圧力をかけた空気を、患者さんの鼻に装着したマスクから送り込み、のどや舌を持ち上げ、気道を広げることで呼吸停止を防ぐ治療法です。期待される効果としては、日中の眠気やいびきの改善、交通事故の予防、脳心血管系疾患の予防、生活習慣病の改善などが挙げられます。費用は保険適用3割負担の場合で1か月あたり約5,000円程度です。

― 治療にあたり、心掛けていらっしゃることはありますか。

コミュニケーションを取りながら患者さんと医師が双方向的な理解をすすめ、患者さんが主体的に治療参加していただくことを「治療アドヒアランス」といいます。当院ではこの考え方に基づき診療を行っています。患者さんにとって毎晩マスクを着けて寝るのはとても大変なことです。長期的に治療を続けるためには、患者さんが病気を理解し、治療の必要性を理解した上で、主体的に治療へ参加する必要があると思います。そのため当院では患者さんに病気を分かりやすくする工夫を凝らしています。例えば、無呼吸では呼吸停止により酸素飽和度が低下します。これはどういう状態かというと、酸素飽和度が70%を下回る状態では標高7000m超、つまり「エベレスト無酸素登頂」にも匹敵します。このように病気のイメージがしやすいように分かりやすく例を用いてご説明しています。
また、最近では「遠隔モニタリング」の活用も進めています。これはCPAPの装着状況や無呼吸の状態をクラウド経由で情報共有し、必要に応じて電話やオンラインでアドバイスを行う仕組みです。本来、CPAPマスク療法を受けている患者さんは毎月通院いただく必要がありましたが、遠隔モニタリングを活用することで症状が安定している患者さんは2か月に1度の通院とすることができます。特にコロナ禍では感染のリスクを減らすことも大きなメリットになり、治療継続もしやすくなると思います。

ドクターからのメッセージ横山 裕 院長

この記事をお読みになられている方の中には、ご自身が睡眠時無呼吸症候群にかかっているのではないかと気にされている方が少なからずいらっしゃると思います。まずは「BMI」と「ESS問診票」でセルフチェックを。そして、“疑いあり”という結果が出た場合には、速やかに簡易検査を受診しましょう。簡易検査を受け付けている医療施設は全国各地にありますし、検査機器を自宅に郵送してくれる医療機関もあります。重症化する前に病気を発見し、適切な治療を進めることが大切です。

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葛西よこやま内科・呼吸器内科クリニック

場所
東京都江戸川区東葛西5丁目1−2 第2吉田ビル 3階 MAP
電話
03-3877-1159
診察領域
内科、呼吸器内科、アレルギー科、小児科、予防接種
専門医
総合内科専門医、呼吸器専門医
専門外来
禁煙外来、ぜんそく専門外来、睡眠時無呼吸症候群専門外来

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