頼れるドクターが教える治療法vol.037
糖尿病科
人の体には2種類の脂肪細胞が存在します。一つは「白色脂肪細胞」。“脂肪”と聞いて誰もがイメージするであろう、白くブヨブヨした細胞で、中性脂肪を「蓄える」働きをしています。もう一つが「褐色脂肪細胞」です。こちらは首や肩の周りなど、限られた部位に存在する褐色の細胞なのですが、白色脂肪細胞とは逆に、熱を出して脂肪を「燃やす」働きをしているのです。
褐色脂肪細胞は10代をピークに、加齢とともに減少することがわかっています。とりわけ40代に入る頃になると、褐色脂肪細胞の量・活性ともに大幅に低下するため、基礎代謝がガクンと落ちて、太りやすい体質になるんですね。加えて、肥満になると褐色脂肪細胞が白色脂肪細胞に“侵食”される傾向が強くなり、ますます太りやすくなってしまう。そこで当院では、褐色脂肪細胞を増やすことによって、こうした“負のサイクル”を断ち切り、20代の頃と同レベルの基礎代謝量に戻す治療を行っているのです。
2つの方法があります。一つは、褐色脂肪分化剤(人口体液)を両側鎖骨のあたりに注射する方法です。白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞とは、見た目も働きも全然異なってはいるものの、脂肪細胞という点では共通で、“兄弟” “いとこ”とでもいうべき近しい関係にあります。そのため、褐色脂肪分化剤の投与によって、特殊なアクションを与え、体液の環境を整えてやると、白色脂肪細胞を褐色脂肪細胞に転化させることができるのです。治療そのものは5分程度で終わりますし、痛覚が鈍い箇所への注射なので、痛みもそれほどありません。
もう一つは、患者さまご自身の褐色脂肪細胞をクリニック内のラボで約4週間程度、培養し、患者さまの体内に戻す方法です。こちらの方法には、褐色脂肪細胞を確実に増やすことができるというメリットがありますが、細胞の培養にはそれなりに時間がかかるため、まずは前者の褐色脂肪分化剤を使用する方法をおすすめしています。ちなみに、当クリニックではまだ副作用の報告はありませんが、ごくまれに、褐色脂肪分化剤に含まれる薬剤に対するアレルギー、注射後の内出血などが起きる可能性が想定されています。
表参道ヘレネクリニック
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