循環型地域医療連携・包括的治療・チーム医療で糖尿病に挑む
地域のクリニックと緊密に連携。チーム医療を実践し、合併症の重症化予防、健康寿命の延伸に貢献します。
- 医療法人輝栄会 福岡輝栄会病院 福岡県福岡市東区
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- 田尻 祐司 糖尿病センター長
頼れるドクターが教える治療法vol.028
精神科
TMS治療とは、脳の活動を活性化または抑制して脳の神経を整えることで、うつ病や発達障害などの症状を改善する治療法です。
記憶や判断、意欲や学習などを司る、大脳皮質の背外側前頭前野に頭の外側から磁気をあて、脳の神経に直接アプローチを行います。痛みや副作用を伴わないことから、5歳ごろから高齢者まで受けられます。欧米では、うつ病の一般的な治療法として広く普及しており、日本においても近年注目を集めています。
TMS治療はうつ病の治療法として認知されていますが、当院では発達障害と、発達障害が原因で起こる疾患やうつ特性などに対して治療を行っています。具体的には、ADHD、ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー)の大きく2つが挙げられ、二次障害としての学習障害や感覚過敏、不安障害、パニック障害、うつ特性などにも有効です。
また治療前には、脳の状態を可視化し、人工知能で解析する「QEEG(定量的脳波)検査」を行っています。QEEG検査では、発達障害の特性の有無や二次障害の症状の診断が可能です。グレーゾーンの方やうつ病の薬が効いていない方をはじめ、ご自身で発達障害を疑っている方も、QEEG検査で治療の有効性が確認できれば、TMS治療による症状の改善が見込めます。
一方で発達障害に起因しない、薬物療法が有効なうつ病の場合は、専門のクリニックでの治療をおすすめしています。
日常生活で、困り感がある方に適しています。例えば、「こだわりが強く、融通が利かない」「気になることがあると他のことが手につかない」「ネガティブなことをずっと考えてしまう」「忘れ物やミスが多い」「じっとしていられない」「特定の感覚に過敏」などの症状です。
治療によって症状が改善されると、ご本人だけでなく、ご家族もその変化に気づきます。中には、帽子とマスクなしでは絶対に外出できなかった方が、無意識に着用せずに来院されたということもありました。TMS治療の効果には、私自身も驚かされることがありますね。
まずは問診で、患者さんの困り感を確認します。その後、脳波を測定して治療の適用を判定。治療を受けるかどうかは、治療方法や通院回数、費用などの説明を聞いたうえで、ご家族と相談してから決めていただいても構いません。すぐに治療を開始したい場合は、カウンセリング当日の治療も可能です。
治療を行う際は、先に刺激位置の計測を行います。計測に用いるのは、当院が特許を取得する独自のレーザーターゲットシステム。刺激部位の正確な位置をミリ単位で特定します。
これらの準備が整ったら、患者さんの脳の状態に合わせて波長や周波数を調整後、「8の字コイル」と呼ばれる専用のコイルを頭にかざして電流を流します。刺激部位の大まかな位置は、個人差が小さいので、刺激部位を計測しない簡易法での治療も可能です。費用を抑えられるため、ご希望の方には簡易法で対応しています。
1回あたり約20分の治療です。通院の頻度は基本的に患者さんにお任せしていますが、定期的な来院をお願いしています。
治療回数は32回を1クールとして、1.5〜2クールがおすすめですね。最低治療回数は、8回です。ほとんどの方が0.5~1クール以上を選択されています。
施術による刺激は「ペン先でコツコツと打たれているような感覚」で、幼稚園児も問題なく治療を受けています。痛みはもちろん、眠気や吐き気など薬物療法にみられるような副作用もありません。ごくまれに治療直後にイライラするなどの症状がでる方がいますが、それも治療を続けると消失します。
減薬は可能で、実際にお薬を止められた方もいらっしゃいます。ただし、こちらから減薬を勧めることはなく、ご本人に決めていただいています。お薬を飲まなくても良くなったという実感を持てたり、止めても大丈夫そうだと自信がついたりした段階で、主治医に相談していただくと良いですね。
減薬できるのであればそれが理想ではありますが、TMS治療はお薬を飲みながらでも受けることができます。
ブレインクリニック大阪
地域のクリニックと緊密に連携。チーム医療を実践し、合併症の重症化予防、健康寿命の延伸に貢献します。
大阪府茨木市の耳鼻咽喉科。いびきやめまい、補聴器、甲状腺、嚥下に対し、専門性の高い医療を提供します。
丁寧な診察と、苦痛の少ない正確な内視鏡検査。内科的アプローチを駆使して、おなかの痛みを解消します。