頼れるドクターが教える治療法vol.22
美容皮膚科
世の中には、美容皮膚科、美容外科などの診療科で行われている、数多くのアンチエイジング治療があります。手術によるフェイスリフト、糸によるリフトアップ効果を狙う治療(スレッドリフト)や、ヒアルロン酸・ボトックスなど注射による治療もその一例です。
当クリニックでは、表情ジワに対しては、ボトックス治療が第一選択となる場合が多く、たるみに対しては、今年人気が爆発したサーマクールFLXや、医療ハイフの代名詞ともいえるウルセラによる治療が中心となっています。
スレッドリフトは、皮下組織に糸(スレッド)を通し、皮膚のたるみを改善する治療です。埋め込んだ糸が刺激となって皮下組織にコラーゲンなどの生成を促し、血流の改善、肌のハリの向上などの効果が期待できます。
ヒアルロン酸注入は、気になる部分のシワの凹みに注射する治療法です。最近では、リフトアップ目的で注入する方法もありますが、多く入れすぎるとリスクが伴います。
ボトックスは、眉間や目尻の表情ジワ(動きで深くなるシワ)に適応があります。
当院が注力する「切らないリフトアップ」は、肌の外側からシワやたるみのある部分を高周波や超音波で刺激することで、肌が本来持つ再生能力を刺激、肌のハリを維持するコラーゲンの生成を促し、シワやたるみを改善していきます。
健康な人に「異物」を入れたくないことと、無用な傷を残したくないことが主な理由です。
毎日診療していると、他施設でスレッドリフトやヒアルロン酸の施術を受けて、後悔して来院される患者さんも実際によくいらっしゃいます。
スレッドリフトは、20代前半の方でも施術後の変化が大きく、インスタグラムに映えますので、好きな患者さんもいらっしゃいますが、僕の感覚では「やり過ぎだな」と感じてしまうことが多くあります。
また、ヒアルロン酸も、モアイ像のように鼻が高くなりすぎている、顔が大きくなりすぎている患者さん、女医さんもいらっしゃいますね。このような事例は、美容医療に詳しい患者さんの方がよくご存知だと思います。
当クリニックでは、「切らないリフトアップ」として、ウルセラやサーマクールFLXなどの顔のたるみ・小顔治療に専門性をもって、厳しく指導した経験豊かなスタッフとともに医師が施術をおこなっています。
誤解のないようにお伝えさせていただくと、当クリニックでもボトックスや柔らかいヒアルロン酸注入は行っていますし、必要に応じて「切る」手術も行っています。
両方とも、類似器機の中では最も深い部位まで治療できます。
ウルセラリフトは、「高密度焦点式超音波治療法(HIFU)」の医療機器「ウルセラ」を用いて、肌の奥の狙った層に熱凝固点をたくさんつくります。加熱により点と点の間が収縮して、それらの距離が短くなることで、下顔面のたるみを改善します。
ウルセラは世界63か国で承認を得ている医療機器ですが、国や施設により照射方法は大きく異なります。
ダウンタイムが少ない治療ではありますが、他のHIFUの機器と比較して、しっかりと熱凝固を起こすので数日間は腫れることがあります。また、治療中に痛みも感じます。
サーマクールは、高周波(RF)治療機器です。高周波の熱で顔のボリュームを全体的に減らすことで、中顔面のたるみを改善します。
10年ぶりにフルモデルチェンジした「サーマクールFLX」は世界12か国で承認を得ており、日本では57台導入されています(2022年3月時点)。従来のサーマクールCPTトータルチップよりも照射面積が大きくなり、少ない照射数で効果が実感できます。
熟練した医師が施術をすると、ダウンタイムやリスクは、ほぼありません。初期のサーマクールでは治療時に痛みがあり、そのイメージを強く持っている患者さんがいまだに多いですが、現在では、深い層にきちんと照射すると、頬から顎下にかけて少し熱さを感じる程度になっています。
ウルセラか、サーマクールかで悩む患者さんは非常に多くいらっしゃいます。
どちらの機器を使用するかは、治療後の想定される効果とリスクをしっかりお伝えしたうえで、最終的に、患者さんご本人に決めていただいております。
当クリニックでは、最初に「患者さんの既往歴」「どういった治療を受けきたのか」「当院をなぜ選んでくれたのか」を質問しています。遠方からいらっしゃる患者さんも多いので、満足して帰っていただくために、しっかりと医師がお話を伺っています。
そのうえで、鏡を見ていただき、ご自身のお顔で気になるところを自由に表現してもらいます。
ウルセラリフトは、マリオネットラインを気にされている方や、マスクをすると非常に若くなる印象の患者さん、手で下顔面のたるみを引っ張り上げる表現をされる患者さんにお勧めしています。
一方、サーマクールFLXは、ぽっちゃりしている患者さんや、小顔を希望されている患者さんにお勧めしています。毛穴の引き締め効果も期待できますから、お化粧のノリが良くなるという喜びの声もいただいています。
サーマクールFLXで肌を引き締めて全体のボリュームを軽くして、その約1か月後にウルセラリフトでさらに引き上げる、という方法もあります。また、当日同時に施術することも可能です。その場合、当クリニックではサーマクールFLXから行います。
ウルセラは2台ご用意していますので、初診の方にはどちらでも対応できるように、予約管理を徹底しています。
関連キーワード:
できるだけ「痛くない・腫れない・切らない・オペ回数の少ない・期間の短い」インプラント治療を行います。
老化した椎間板に直接アプローチし、椎間板ヘルニアを始めとする脊椎疾患の改善を目指します。
進行すると透析治療が必要になる慢性腎臓病。患者さんが前向きに腎臓疾患治療に取り組めるよう支援します。