頼れるドクターが教える治療法vol.20
ラドン療法
多くの人の場合、「ラドン」と聞いて思い浮かべるのは温泉ではないでしょうか。日本では鳥取県の三朝温泉や秋田県の玉川温泉が有名な「ラドン温泉」として知られていますが、これはラドンと呼ばれる気体が湯に溶け込んだり、湯や岩盤から立ち上ったりしている温泉を意味します。ラドンは、元は「ラジウム」という個体の放射性物質であり、温泉の岩盤に含まれているのですが、長い年月をかけて徐々に気化していきます。温泉客は必然的にこの気体を吸い込むことになります。ラドンは人間の心身にさまざまな良い作用をもたらすと考えられているため、日本では古くからラドン温泉に病気の患者が湯治に訪れているわけです。
はい。「ラドン温浴」は「小さな人工のラドン温泉をクリニックの中に作っている」と言えば理解しやすいでしょう。当院ではラジウムの粉末を床や壁などに付着させた部屋(ラドンルーム)を院内に設けており、部屋にいるだけで気化したラドンを吸い込むことができます。室内の温度は38度、湿度は80~90%に保たれており、患者さんは当院が用意する作務衣に着替えていただき、40分ほど横になっていただきます。利用後は併設されているシャワーもご利用いただけます。予約制で費用は1回3,500円(税込)。感覚としてはサウナに近いものですね。ラドン温浴を行っている医療機関は全国で10数ヵ所、都内では4ヵ所あります。当院は2011年の開院時からラドン温浴を行っていて、今までに数百人の方が利用、現在は1日に10人ほどが利用しています。
口や鼻から吸い込まれたラドンは肺の血液に溶けて全身を巡ります。ラドンは放射線を出す能力を持つ放射性物質ですから、全身の隅々で放射線の一つであるアルファ線を放出します。このアルファ線が人体に良い影響を及ぼすと考えられており、様々な病気の原因だとされている活性酸素を取り除いたり、細胞の働きを改善させたりします。私たちの体は微小な無数の細胞によって構成されていて、細胞には水分や栄養を取り込み、老廃物を排出する働きがあります。細胞が順調に働き続けてくれていれば病気にはならないと考えられるわけですが、加齢や生活習慣によって徐々に細胞に過酸化脂質などの汚れが付着し、水分や栄養が入りづらくなり、また老廃物が出にくくなります。つまり、細胞の働きが鈍っていくわけですが、アルファ線は細胞の汚れを取り除く働きもあると考えられているのです。
蒲田よしのクリニック
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ラドン温浴とは、ラドンと呼ばれる気体を吸い込むことでさまざまな病気への効果が望めるという治療です。
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