頼れるドクターが教える治療法vol.015
消化器内科
対症療法に重きが置かれ過ぎている、と考えています。日本は保険制度が整っていて医療を安価に受けられるのが特徴ですが、健康保険が適用されるのは基本的に治療に対してです。予防医療に適用されるのは予防接種やインフルエンザなど一部の病気に対する薬の予防投与くらいで非常に少ないんですね。こうした制度も影響した結果、国民の予防への意識も高くはありません。医師としての実感ですが、大半の方は何らかの症状が出たり、症状がひどくなったりしないと医療機関を受診しません。「健康診断を受けておけば安心」と考える人もいるかもしれませんが、健康診断では異常がないことが大まかにわかるものの、その人が健康であることを証明できないと私は考えています。
日本人の多くは健康を2つの軸で考えていることでしょう。「健康」であるか「病気」にかかっているか。でも東洋医学ではこの間に「未病」という状態が加わります。未病とは、まだ病気にはなっていないけれども健康ではなく、何らかの因子が加わることで病気にかかってしまう状態です。健康診断ではこの未病を把握できないわけです。私たちが健康を保つために最も大切なことは、病気を予防すること。病気になってからでは身体的、精神的、経済的な負担が大きくなり、場合によっては治らずに死亡する場合もあるからです。そして、予防する上で重要なのが、自分が「健康」「未病」「病気」のどこにあるのかを把握し、できる限り未病までの段階で対策を打って病気に移行させないことなのです。
私は東邦大学医学部を卒業後、消化器外科医として主に消化器がんの手術を行ってきました。がんの患者さんの中には早期に見つかることで完治する人もいますが、残念なことに再発して病院に戻って来られ、お亡くなりになってしまう方もいます。患者さんを死なせずに済む方法はなかったのだろうか、という思いを端緒に、どうすれば病気を早期に見つけられるのか、防げるのか、なぜ人は病気になるのかと疑問が深まっていきました。さまざまな講習会に参加したり文献を読んだりするなかで、自然治癒力を高める東洋医学の考えに魅かれ、西洋医学と東洋医学を合わせた治療を行うようになりました。開業してからは予防のための様々な検査も行うようになりました。
医療法人社団健静会アクアメディカルクリニック
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