頼れるドクターが教える治療法vol.013
消化器内科
先端にカメラがついた細いチューブを口や鼻、肛門から挿入し、消化管の様子を観察する検査です。胃カメラ・大腸カメラといったほうが、聞き馴染みがあるかもしれません。
胃カメラの観察範囲は、のど・食道・胃・十二指腸です。従来は口からカメラを挿入する「経口内視鏡」が主流でしたが、今は鼻から挿入できる「経鼻内視鏡」もあります。経鼻内視鏡は嘔吐反射(異物の侵入に対して、オエッとなる生理現象)が少ないという利点はありますが、鼻血や鼻の痛みというリスクがあります。一方、鎮静剤を用いればより高画質な経口内視鏡でも苦痛なく受けることができます。
大腸カメラは、肛門から大腸・回腸末端(小腸の末端)が観察範囲です。腸の中の便を空にしたうえで肛門から挿入します。
どちらの検査もリアルタイムに体内の様子を観察できるほか、検査後に診療室の高画質モニターで確認することも可能です。
他の検査と比較してみると分かりやすいですね。まず胃のバリウム検査は、影絵のように映し出された画像から凹凸や変形がないかを確認する方法ですが、小さな病変は凹凸が付きにくく、早期がんの発見は難しいといわれています。一方、胃カメラは僅かな色の変化や小さな病変でも評価可能です。
次に大腸健診として行われる便潜血反応では、陽性は約5%、そのうち2%に大腸がんが発見できるといわれていますが、出血源の特定はできません。大腸カメラは、観察するだけでなく、大腸ポリープの治療を同時に行え、大腸がんリスクを減らすこともできます。
胃がんの家族歴がある・40歳以上・男性・喫煙・塩分摂取が多い、などが胃がんの主なハイリスク要因です。また、ヘリコバクター・ピロリ菌感染は胃がんリスクとして知られ、除菌でリスクが減らせることも分かっています。中には全く症状がない方でも悪性の病気が見つかることもあります。吐き気・胃もたれ・げっぷ・吞酸(どんさん:胃酸の上昇)・胸やけ・吐血などは、食道・胃・十二指腸に病気のあるサインです。長く続くときは、一度胃カメラを受けると良いでしょう。
また大腸の場合は、下血や、便秘・下痢といった便通不良などの症状があれば注意してください。長く続く場合は、がんやポリープが潜んでいる場合があるので大腸カメラをおすすめします。また、健診で便潜血反応陽性の方や、家族歴や症状のある方も大腸カメラを受けた方が良いですね。
医療法人 やだ消化器内視鏡クリニック
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