放置はNG、皮膚腫瘍「粉瘤」の
治療法と傷跡を残さない工夫
「粉瘤」は手術で根本的に治療を。超音波による正確な診断と、目立つ傷跡を残さない技術力が強みです。
- 高桑 康太 理事長
頼れるドクターが教える治療法vol.151
形成外科
目次
多汗症は「エクリン腺」という汗腺から、サラサラとした水っぽい汗が過剰に分泌される疾患です。エクリン腺はほぼ全身に存在し、体温を調節する機能を担っています。多汗症の患者様はエクリン腺の体積が大きい、あるいは、何らかの理由によりエクリン腺の機能が活性化されることで、多量の汗が分泌されると考えられます。ちなみにエクリン腺から分泌される汗の成分は99%が水分で、汗そのものににおいはありませんが、皮膚表面で皮脂や垢等と混じり合うことで、いわゆる“汗臭さ”が生じることもあります。
一方、ワキガは「アポクリン腺」という、腋の下や耳の裏、陰部などに位置する汗腺から分泌される、ベトベトした汗が原因で起きる疾患です。アポクリン腺から分泌された汗にはタンパク質や脂質が多く含まれており、これが皮膚表面の常在菌と反応・分解されることによって、ワキガ特有の強いにおいが発生します。
このように多汗症とワキガはまったく違う疾患なのですが、腋にはエクリン腺とアポクリン腺の両方が存在し、かつ密閉性が高いので常在菌が繁殖しやすいため、腋はにおいが強くなりやすいという特徴があります。
そうですね。嗅覚は順応しやすい性質があり、同じにおいを嗅ぎ続けていると、そのにおいを感じなくなることが知られています。また、ワキガ体質は遺伝的な要因が強いこともわかっています。洗濯物のにおいなどからご家族が気づき、本人に通院を勧めるケースもありますが、生活を共にしているとご自身もご家族もワキガのにおいに慣れてしまいますから、自覚のないままで過ごされている方も少なくありません。
多汗症やワキガを放置しても重大な疾患につながることはありませんが、日常生活における不快感、そして、対人関係に大きな影響を与える可能性もあります。特に、日本人は欧米人に比べてワキガ体質の割合が低く、人口の約1割程度とされています(欧米では7〜8割)。こうした背景もあって日本ではワキガのにおいが目立ちやすく、周囲との関係に悩んでいらっしゃる方も少なくありません。
皆さんにお伝えしたいのは、多汗症もワキガも保険診療によって根本的な治療が可能だということです。一人でも多くの患者様に適切な治療を受けていただきたいと考えています。
多汗症やワキガの対症療法としては、塩化アルミニウムの作用で汗腺を閉塞させエクリン腺やアポクリン腺からの発汗を減らす制汗剤・制汗シートや、神経伝達物質の放出をブロックして発汗を抑制させる軟膏などがあります。一方、ワキガの根本治療としては、腋の下の皮膚を切開し、皮膚の裏側にあるアポクリン腺を完全に削り取る「剪除法(皮弁法)」が保険適用となります。
「ミラドライ」は、マイクロ波(電子レンジで使用されている電磁波)を照射し、多汗症の原因となるエクリン腺及び、ワキガの原因となるアポクリン腺を熱破壊することができる治療機器です。ミラドライによる治療の最大のメリットは、患部を切らずに多汗症やワキガの治療ができる点にあります。基本的に施術は一日で完了しますし、通院も不要、ダウンタイムは1週間程度で傷跡も残りません。デメリットを挙げるとすれば、保険適用外のため費用が比較的高額になることですね。当院の場合、保健適用の手術を選択される患者様と、ミラドライを選択される患者様が、ほぼ半々です。
マイクロ波の強さや照射する範囲、深さ、時間を緻密にコントロールしつつ、ミラドライの性能を限界まで引き出すことで、アポクリン腺の細胞を徹底して破壊する技術を持っていることですね。こうした施術を提供できるのは、医師が保険診療の手術を数多く手掛け、日頃から体内の組織というものをその眼で見ているからこそ。ある意味では手術経験の多寡が、ミラドライの技術力をも左右するのです。
一言でミラドライ治療といっても、施術のノウハウや期待される効果にはなにかと差が出ます。このことを念頭に置いて、クリニック選びを進めると良いでしょう。
ミラドライ1回・スタンダードプラン 169,500円(税込)
ミラドライ1回・最大照射プラン 223,000円(税込)
ミラドライ2回・最大照射プラン 377,000円(税込)
※麻酔代・処置代すべて込み
※カウンセリング料・初診料・再診料は無料
※自費診療のため、公的健康保険は利用できません
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