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甲状腺専門クリニック
甲状腺・副甲状腺の検査・診断から治療、術後のケアまで、担当医がトータルに対応します。
- 天王寺甲状腺えのもとクリニック 大阪府大阪市阿倍野区
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- 榎本 圭佑 院長
- 榎本 敬恵 医師
街の頼れるドクターたちvol.027 血管外科
目次
足から上半身に向かう静脈には、重力に逆らって血液を送るために逆流を防止する弁があります。この逆流防止弁が何らかの理由で必要以上に開いたり、壊れた状態になったりして血液が逆流する。こうした状態が慢性的に続き、足の静脈の血管内に血液が少しずつ溜まっていく結果、血管がコブのように膨らんでしまう――これが「下肢動脈瘤」です。
下肢動脈瘤はいったん発症すると自然に治ることはありません。初期症状としては足がつりやすくなるほか、むくむ、重たくなる、ムズムズするなど、何ともいえない不快感を伴います。進行すると、足の血管がボコボコと膨れ上がったり、浮き出てきたりします。さらに悪化すると、色素沈着などを起こす「うっ滞性皮膚炎」から、ひどい痛みを伴う「皮膚潰瘍」につながる可能性もあります。下肢静脈瘤は良性の疾患なので命に別状はありませんが、特にご高齢の患者さまの場合ですと不快感や外見上の悩みから「歩こう」という意欲を失い、寝たきりになってしまう可能性も想定して然るべきでしょう。より多くの人々に健康長寿を全うしていただくためにも、なるべく早い段階からエコー検査を受けていただきたいと思います。
特に発症しやすいのは、板前や美容師など長時間の立ち仕事により下肢静脈が重力の影響を受けやすい方、妊娠・出産を2回以上経験されている方、中高年の女性ですね。遺伝の影響も大きく、下肢静脈瘤が片方の親にあると40%、両親ともにあると90%の確率で発症するといわれています。
症状によって治療法は異なります。静脈がこぶのように膨らむ「伏在型静脈瘤」の場合には、逆流を起こしている静脈にカテーテルを挿入し、高周波を当てて焼灼する「血管内カテーテル治療」を行います。また、「クモの巣状静脈瘤」「網目状静脈瘤」と呼ばれる中程度の症状の場合は、硬化剤を静脈に注入し、下肢静脈瘤そのものをつぶす「硬化療法」を行います。「血管内カテーテル治療」「硬化療法」ともに短時間で終わり、かつ、負担も少ないので日帰り治療が可能、治療後は歩いてお帰りいただけます。このほか、下肢静脈瘤の進行予防のために「医療用弾性ストッキング」の着用をおすすめするケースもありますね。
医師になろうと決めたのは高校生の頃です。将来進むべき道を考えたときに、自分のことを分析してみたのですね。「人と接するのが好き」「人を喜ばせることにやりがいを感じる」「ずっと続けられる仕事に就きたい」――こうした分析を繰り返すうちに、病気を治すことによって多くの人々を笑顔にできる、医師の仕事に魅力を感じるようになりました。これが医師の道を選んだ理由です。
もっとも、下肢静脈瘤を専門的に診療するようになったのは比較的最近です。以前は形成外科や泌尿器科、婦人科を専門としていました。がんをはじめ命に関わる悪性疾患を手術によって治療するのも大きなやりがいがあったのですが、治療によって「QOL(クオリティ・オブ・ライフ)」の改善を期待できる分野の方が私自身好きだということに気づいたのですね。とりわけ下肢静脈瘤は治療の結果が見えやすく、患者様の健康で豊かな生活に大きく貢献できますからね。
横浜駅といえば日本有数の巨大ターミナル駅ですから、遠方からの患者さまにも気軽に来院いただけます。より多くの患者さまの治療に携わり、QOL改善に寄与していきたいと考えたのです。また、横浜という、開放的かつ魅力的な文化をもつ街で働いてみたいという思いはもともと温めていました。生まれも育ちも埼玉県なので、海のある街への憧れがあったのかもしれません。
患者さまがその効果について、ご家族やお友達に話したくなるような治療を行いたいと考えています。生の声が広がって、当院を選んでくれる方が増えていくとすれば、それは大きなやりがいになりますからね。また、余裕が出てきたら、説明会を開催するなどして、下肢静脈瘤という病気に対する認知度や理解度を高めるための取り組みにも力を入れたいと思います。
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